そして九十九堂へのご来店、ありがとうございました。
この「語り部たちの夜」という作品は、今までに―
九十九堂の常連たちが、停電の中語る百物語形式の短編集「九十九堂奇譚」。

兄妹が営む骨董屋九十九堂を訪れる客と、闇に舞う白拍子の物語、冥府からの愛を描いた「陰(いん)」。

新聞記者がさぐる奇妙な噂、その噂の語り主である一人の少女の物語、人の心の奥底に湧き上がる感情を描いた「雲(くも)」。

全盲の娘月子、その周囲の者が体験する奇妙な出来事。目の見えない娘の眼に映ったもの、そして彼女が望んだものを描いた「風(ふう)」。
という副題で上演し、その度に内容が異なる物語でした。
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共通設定は昭和初期の日本、九十九堂という骨董屋、オムニバス形式であること。
今回の「空(くう)」をご覧いただいたお客様から、
これが今までの語り部シリーズのエピソードゼロなんですか?と質問をいただいて、「ああ、なるほど」と思いました。確かにそんな風にも観えるかな、と。
でも「陰」が異質になっちゃうな、それだと。
いつもその時の思い付きで本を書いてしまうので、
他のシリーズとの前後とかを意図しておらず、
どちらかというとパラレルワールド的にとらえていただけたらと思うのですが、
お客様からそういうお言葉をいただけたのは物書きとしてはとてもうれしかったです。
そして今回の物語が、思っていた以上にお客様に受け入れていただいたことに感謝しております。
(もっと嫌悪感を持たれる方もいるんじゃないかと思っていたのです)
ただいまDVD化の編集が進んでおります。
今度は映像で、あの耽美な世界をお楽しみいただきたい。
ぜひぜひお楽しみにお待ちください。
いつもながらのハードワークを乗り越えてくれた劇団メンバーに、
出演者に、スタッフに、応援してくれた方に、
そして何よりご来場くださったお客様に、心よりの感謝を。
語り部たちの夜-空-、ひとまず終幕でございます。
またいつか、どこかに。